アスペルガーの症状が軽度になり克服に役立った8つの方法
2017/05/24
克服する方法1:自覚できるタイミングを逃さない
アスペルガーの場合は、自閉症と同じような発達障害であり、これはあくまでも脳の先天的な機能障害であることを、この障害の本質である点として必ず心得る必要があります。
人とのコミュニケーションで、「相手の顔や表情」を見て、感情を察知できない、あるいは相手の考えが理解できない、周囲と馴染めないなどは、非常に小さな症状を出現です。
特にアスペルガーの人で、成人の場合は周囲の人はそれがその人の「性格」なのか、障害の持つ「本質的」なものなのかは、判別できません。
しかし”異質な感じ”という障害を持つ人の自覚は、はっきりした感覚です。
この「はっきりした感覚」がある限り、自分は他人とは違っている事を、アスペルガーの場合では必ず気が付くことがあります。
特に一つの事にやや異常な執着があり、一人を好み、あるいは何度も集団といさかいやトラブルを起こしたなど、
頻度が多ければ「自分には、もしかしたら障害があるかもしれない。」とまず自分で自覚を感じることです。
その場での解決や、周囲の説得は後回しで良いです。
アスペルガーを克服するためには、「自分の行動や言動、その時の他人の反応」などを、専門医にアスペルガーの人自身が説明できる必要が前提だからです。
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克服する方法2:障害の発現と症状との違い
アスペルガーのような発達障害は、成人になるまでに周囲や自分に自覚や、気が付かれることが無ければ、特殊な行動は「精神異常」と思われがちです。
ここで精神的な症状と、発達障害の症状の大きな違いについて説明します。
まず精神的な症状を持つ場合は、「原因」がハッキリしています。
失業、借金などの「追い詰められた心」や、親を失う「喪失感」や、仕事上でどうしても阻害される生活リズムや、快適で規則正しい睡眠が奪われる場合などです。
誰でも、こういった場合はリラックスしてくよくよしないものです。
しかし、精神障害となる場合は、そういった状態が「長期に渡って続く」など極端な場合、精神的な疲れや焦燥感などをリセットできる機会が無いのです。
これは健康的な人が、ある日突然独房に閉じ込められるイメージではなく、”明るい窓”を少しづつ塞がれ、最後は暗黒の中に自分が入り込むような感じです。
精神障害は、こうした”蓄積”が長く続くと症状が重くなります。
一方でアスペルガーのような、先天的発達障害は「症状」とは正確には呼べません。
本質的に、「仲間とはどういったものか?」とか、「なぜ皆はそうするのか?」という、誰もが普通に何でもない事を考えずに出来ることに対し、脳で整理して受け入れることが困難なのです。
これは脳神経の繋がりのどこかが、上手く機能していないために、「合理性」、「目的」を大きく俯瞰的に考えられないところがあります。
精神障害も「やらなければならない」ことは理解できますが、症状として結果を悪く想像したり、前向きに考えられないのに対し、発達障害はその「何をやれば良いのか?」を自分では考えられないのです。
これは一時的でも、また蓄積によってそういた症状になったわけではありません。
言い方は悪いですが、敢えていうならこれは「機能の欠陥」です。
症状とした治療するのではなく、障害に慣れて適切に自分らしく生きられる方法を模索するのがアスペルガーを克服する方法の原点です。
克服する方法3:素人アドバイスを信じない事
一般的には、アスペルガーの発達障害を扱う専門医は、精神障害と同じ診療科が多いです。
メンタルケアの必要が発達障害でも必要なのは、障害によって社会的な生活な困難なために、トラブルや失敗が続き、その蓄積でうつ病などの2次精神障害を併発することがあるからです。
一方で、一般的な会社員や労働者に属さない特殊な職業に就くことが出来た場合、アスペルガーはむしろその特異な執着心や特性を発揮し、有名作家になった例もあります。
ここで絶対間違えてならないのは、「素人判断の他人が、アスペルガーを判断できる立場ではない」ということです。
アスペルガーは最も誤診が多い発達障害で、躁うつ病、ADHD(多動性障害)や統合失調症として誤診される場合もあるからです。
一般の人がDSM-Ⅳなどの専門知識を有しているのは稀です。まず有り得ません。
またアスペルガーの障害の発現を、「病気」と捉えれば間違ったアドバイスで、発達障害を克服できるチャンスを逃すことになります。
精神障害も発達障害も、共に「健常者との比較」で判別できるのではなく、その障害の特徴が必ずあるのです。
場合によっては「症状」とも指摘されますが、改善に向かうのが最大の目標であり、「治療」や「完治」ではありません。
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克服する方法4:認知行動方法に慣れていく
アスペルガーは症候群とも「障害」とも呼ばれていますが、その発達障害は治療薬と呼べるものは、現状余り存在しないのが問題です。
症状というよりも脳による認知に障害が多いために起こる、対人関係上のトラブルなので、アスペルガーの克服には、
比較的新しい認知行動療法という治療、改善方法が有効と言われています。
この治療、克服方法は問題となった言動、行動などを客観的に洗い出し、一つ一つアスペルガーの人にわかりやすく解説し、アスペルガーである本人に、それを認知してもらってじっくり時間をかけて症状などを抑えていこうという克服法です。
メンタルケアでは専門医は心療内科ですが、こうした治療の現場でも患者本人と相談しながら、認知行動療法は行われています。
人の行動には必ず何かの理由があって起こるものであり、動機も不明で意味なく言葉を発したり、あるいは不可解な行動を起こすものではないのです。
まずアスペルガーの克服には、この認知行動療法の治療方法を試すなどして、慣れていくことが良い結果につながるかもしれません。
克服する方法5:いざという時は、投薬の方法を信じること
アスペルガーの特効薬は現実存在しなくても、例えば認知症や心身症にはよくある不眠など、付帯する様々な症状というのが伴うことがあります。
特にアスペルガーの場合は、うつ病を併発しやすく、そのために抑うつ用の薬や、悩みや心労のために不眠などの睡眠障害になりやすいですね。
睡眠薬などでは、最近では新薬で依存性が低い薬も開発され、薬物療法も以前よりも改善しています。
実際、睡眠薬は服用の経験は何度もありますが、スボレキサント系では、非常に副作用も依存性も低いため、治療現場では活用され始めています。
アスペルガーのような発達障害の症状の前に、まずは併発した後発性の精神障害などは、場合によって投薬という手段もかなり有効だと覚えておくと良いでしょう。
克服する方法6:啓蒙・啓発はアスペルガーを悪化させる
アスペルガーの克服で、大きな間違いを起こすのが、素人考えの「啓蒙」や「啓発」です。
うつ病の人に、励ましの言葉や先人の勇気ある行動や言動を見せたところで、障害というのは「本人だけ」の問題です。
アスペルガーであるかどうかを、障害のない人が「障害を認めさせたい」と思ったところで、それは発達障害への理解にはなりません。
苦痛や苦悩とは違って、その場の行動や言動を制止したり抑制できても、それは一時的なものでしか無いからです。
「これが悪い。」あるいは「こうした点を良くすれば」といったような、言ってみれば健康的で、生活に支障がないレベルの人が気がついたことは、アスペルガー本人は理解できません。
まず「障害となっているのは何か?」に焦点を当てなければ、アスペルガーは他人によって克服することは絶対にあり得ないのです。
「アスペルガーの人とどうやって付き合うか?」は、アスペルガーの障害を持たない人が考えることであって、アスペルガーの人が「健常者とどう付き合うか?」という障害を障害として、取り残したまま余計にその発達障害を悪化させるものだと、アスペルガーと接する人は心得るべきです。
障害に対しては、「障害そのもの」への理解が必要なのです。
克服する方法7:セカンドオピニオンの積極的な活用
発達障害の中でも、アスペルガーの方は普段の生活に多少の障害があっても、一人暮らしは問題なく出来る人がいます。
つまり、見た目ですぐ「この人はアスペルガーだ。」と見える人は稀です。
これが普通の方にとって、アスペルガーの人側から見ると、理解の上で大きな障害となります。
またアスペルガーは他の精神障害との誤診も多く、うつ病を併発してると、それが主たる障害の原因と心療内科の専門医でも、間違えることはよくあるのです。
そこでアスペルガーのような、比較的軽度な自閉症、発達障害は、心療内科などのセカンドオピニオンを積極的に活用することが有効です。
どの専門医が適切かというよりも、相性の良い専門医を見つけることは、アスペルガー克服のために大いに役立つはずです。
家族や身内からの進言でも構いませんが、自分では小さいと思った出来事でも、それが実は発達障害の一つ、アスペルガーの特徴だったりするのです。
まずは心療内科に気軽に相談できる意識を持っておきましょう。
克服する方法8:話しやすい相手を必ず1人見つける
アスペルガーのような障害も含め、精神障害も同様に「話し相手」は非常に重要です。
良き理解者というよりも、話しやすい相手の存在がとにかく必要です。
アスペルガーのような発達障害は、「孤独」という状況が最も悪い方向へ導いてしまいます。
多少のいざこざはあっても、自分の一部でも受け入れてくれる相手は、アスペルガーにとっては「財産」です。
アスペルガーを克服したい、あるいは快方へと向かいたいのなら、とても少人数で構わないので、こうした話を出来る相手の存在が不可欠なのです。
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