アスペルガーは普通の人より疲れやすい。疲れにくく過ごす方法
2017/06/15
精神障害とは違った本質的な疲れ
アスペルガー症候群とは広汎性発達障害と呼ばれる、後発性の精神障害とは区別される、国がサポートも行って広く周知された「障害」です。
病気とはちょっと違った性質を持つのが特徴ですね。発達障害の分類としては、軽度の自閉症といった障害になります。
男性に非常に多いのがアスペルガーの特徴ですが、「疲れやすい」と言っても、アスペルガーの「疲れやすい」は、通常の人の疲労とは全く違います。
まずその疲れやすいといった感じは、”突然”とアスペルガーの人に襲ってくるのが特徴です。
アスペルガーの昼間の突然の睡眠は、目の前で”ガクッ”といった感じで、急にうつ伏せになって寝てしまう感じです。
丁度、スイッチを切ったような感じで、集中力や行動が停止します。本人としては感触は「脱力」に近いものです。
アスペルガーの場合、時に非常に高い集中力を見せることがよくあります。
他人からすれば、そこまで知らなくても生活に支障がない、かなり専門的な分野でも非常に居所的な集中力のまま継続するため、仕事でも時には作業も淡々と黙ってこなすのが得意な方もアスペルガーの人にはいますね。
しかしそうした集中力が、尋常ではない緊張のまま時間が過ぎていきます。
筋肉的な緊張、脳の活動や眼など、様々な部位でその労力を使いすぎるのです。
普通の人なら「休憩しながら、長い時間座る」ということは可能ですが、アスペルガーにはこうした緩急をつけた作業や集中力のコントロールが、上手に出来ない障害です。本質的に「疲れやすい」というよりも、自分の集中力に非常に疲労してしまうのです。
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通常の癒しよりも、休息
アスペルガーの人の睡眠について、少し説明しますね。
後発性の精神障害、不眠症や認知症などの脳障害の場合は、脳神経の連携が上手くいかずに、睡眠導入時に関して障害が多数みられることが多いです。
アスペルガーの場合は、寝初めから深い睡眠までは非常に短時間で起こります。
それに、生活もリズミカルで早朝に起きるのに苦痛でないのも、精神障害と違った発達障害の特徴です。
アスペルガーの疲れやすい体質は、確かに全身の疲労から起こるものですが、夜の睡眠の質は極めて高いのです。
これは小さい子供が疲れて親に抱かれて眠ってしまう、そんな睡眠に似ています。つまり「眠い事を我慢できない。」のです。
アスペルガーの場合、普段の睡眠は特に特有の障害がみられることは、成人でも稀です。
しかし、一旦覚醒して起きて日中行動している時、突然眠気が襲ってきます。慢性疲労に近い感じです。
しかもその行動を傍から見ていると、普通の仕事や作業をしているだけで、特にハードに見えないのが特徴です。
それよりむしろ「集中力」に体のエネルギーを全て使い果たしているといった方がわかりやすいでしょう。
アスペルガーは、どちらかと言えばリラックスが苦手です。何かに集中していた方が、本人としては「楽」なのですね。
従いアスペルガーの人は、自分が発達障害として、自分で認識している必要があります。
睡眠に関しても、ただ寝れば良いのではなく、1日の中で決まったタイミングで休息をとるのが、「疲れやすい体質」を感じさせない事に繋がります。
アスペルガーの休息の方法
仕事でも勉強でもそうですが、アスペルガーの場合の集中力は非常に一極集中なので、作業の時間を出来るだけ短時間にし、休息の時間を増やします。
この時、音楽や癒しグッツなどはあまり効果は低いかもしれません。静かな環境が一番良いでしょう。
突然、ガバッと何でもない時にうつ伏せになったり、急に寝たりするので、その睡眠タイミングが疲れているという事です。
アスペルガーの場合は、普通のコミュニケーションを他人ととっている時でも、自分の限界まで集中力を使い果たします。
だから見た感じが疲れやすい様に見えるんです。
元来の生まれつきの脳機能障害のようなのが、アスペルガーや自閉症スペクトラムの特徴です。
この集中力の違いは、日常生活でアスペルガーはよく垣間見ることが出来ます。
「生真面目」、「一部の事に妙に詳しすぎる」とか、「人と話が上手く出来ない」のは、この自分の集中力のせいで疲れやすい体質のために、他の事を受け入れられない事が要因です。
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疲れやすいパターンの兆し
アスペルガーの人にとって、疲れやすい環境というのがあります。まず定期的に休息、睡眠がとれない環境です。
通常の会社員や学校では、就業時間、講義といった決められた時間やスケジュールは、他人が作ったものですよね。
これにアスペルガーの人が無理に体を合わせると、疲れやすい感じを回復させるタイミングを失います。
アスペルガーのような発達障害と、そうでない人の違いは、「障害があるために、自分で上手に体をコントロールできない」ということです。
疲れやすいというより、疲れにくいような、工夫をする発想というのがありません。
普通はそうした環境でも「耳にしなくても良い、どうでも良い情報」というのは、2、3はあるものです。
しかしアスペルガーの場合、この区別が曖昧で自分では取捨選択が出来ていないのです。
常に「何を話しているか?」に聞く耳をそばだてて、いわば常に緊張しているわけです。
想像するだけでも、そうした1時間は疲れやすいとわかりますよね。言ってみれば「緊張の耐性」が低いということでしょう。
これがアスペルガーの障害の特性です。
「なんとなく話を聞く」という普通の人なら、何でもないことがアスペルガーの人にとっては難しいのです。
常に身構え、相手が何を言うか備えているような状態が、アスペルガーの人の日常です。
この疲労への理解が「アスペルガーは疲れやすい」の本質を理解してあげることになります。
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