自閉症のこどもに見られる特徴的なクレーン現象を正しく見極める
2017/11/12
自閉症はクレーン現象により、コミュニケーションを取ることが多いとされています。
ですが、クレーン現象を放置していると、コミュニケーションを通じての関係が崩れることもありますのでクレーン現象のメリット、デメリットを案内させていただきます。
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クレーン現象は意思伝達の際に見ることが多い
自閉症のクレーン現象ですが、それほど見ることそのものが珍しい現象ではありません。
というのも、幼児、もしくは子どもなどは、クレーン現象を通じてコミュニケーションを取ることが多いからです。
例えば、知らない子どもから手を引っ張られた際、助けが必要なので来て欲しいということであれば、多くの人はその手に従って移動されるかと存じます。
このように、曖昧な意思伝達しか行っていない状態で、相手の手を引っ張って目的を達成するなどの行為をクレーン現象と言います。
家族の場合、取って欲しいものが存在する場合に、「それ取って」と言い、さらに指を向けて欲しいものを選択すると、家族の誰かが気を利かせてものを取ってくれることは良くあります。
これもクレーン現象の1種です。
また、普通に考えると親子関係がしっかりしているので、このようなコミュニケーションが取れるのだと思ってしまいますが、長くクレーン現象を続けていると、いつの間にか、指示を出す側、指示を受ける側ができてしまうので、自閉症のクレーン現象は早めに直したほうが良いと言われているのです。
というのも、健常者のように時折だけクレーン現象を活用するわけではないからです。
自閉症の場合、クレーン現象が悪影響を及ぼす形で、声を発しないでも意思伝達はできるという観点から、自分の行っていることは悪いことではないと思い込むこともあります。
そして、口頭で伝えるだけで済むようなことでも、まったく説明しないままクレーン現象へと移行してしまい、それが元になって意思伝達の方法がおかしいことを、他人から良く指摘されるようになり、自閉症を悪化させてしまう人もいます。
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先天性の問題と捉えたほうが良い
クレーン現象に関する補足となりますが、クレーン現象そのものは後天性のものではないと指摘されています。
というのも、子どもの頃からクレーン現象を続けている人もいれば、年齢を重ねるごとに、段々とクレーン現象を行わなくなる人が多くいるからです。
実際に、赤ちゃんの頃はクレーン現象を通じて、親子の感情を深めていくものです。
欲しいものがあった際、欲しいものを渡してくれた相手に対して微笑むというのは、赤ちゃんであれば自然な行動でしょう。
しかし、このような動きに対して改善の度合いが見られないのが、自閉症のクレーン現象の厄介なところです。
自閉症の場合、習慣性の影響も受けて悪いことはしていないと考えているため、クレーン現象を度々行うようであれば、自分で動いて対処することの大切さを説いたほうが良いでしょう。
クレーン現象が悪化するとどうなるのか
自閉症のクレーン現象ですが、悪化すると完全に言葉を発しなくなるケースも存在します。
しかも、夜中にいきなり起きてクレーン現象が発生したりと、睡眠障害に影響を与えるような行動を繰り返したり、自分の思うものと違うものを手にしてしまうと、それだけで激しいストレスを抱えることもあるのです。
最も厄介なのは、クレーン現象という行為に固執することです。
そのため、クレーン現象が上手くいかないだけで、相手のことを嫌ってしまうこともありますし、部屋に閉じこもってしまうことで、現在起きている問題から逃げ出すという行為も頻発するようになります。
これでは、コミュニケーション能力が育たないので、クレーン現象は子どもの内に卒業させたほうが賢明でしょう。
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